異性に対する好みというものは人それぞれですが、世間的なイメージとして
仮病者=体が弱い人
となるのは、もちろん仕方のないことです。
仮病はそれだけでモテる
仮病者が女性の場合、その「体が弱い」といったイメージは、当然のことながらプラスに作用します。
体が弱い → 守ってあげたい
おそらくそのか弱さが、どこか我々男性の父性に訴えかけるのでしょう。
「体が弱い 虚弱体質 少女」と表記すれば、何故か美少女を連想してしまうのが我々男性です。
もちろん体が丈夫で、毎食どんぶり2杯くらいのごはんを食べてますといった女性でも美女なら問題ありませんが、そうでない女性は淑女の身だしなみとして仮病者となることも一案かと思います。
それでは逆に、「仮病者=体が弱い男性」といった場合、やはりその方はモテないのでしょうか?
いいえ。そんなことはありません。
仮病男子は、モテる努力を何一つしない非モテ男子より数倍モテるのです。
モテの最高峰の仮病系男子
日本人の永遠の憧れ、新撰組の沖田総司を思い出してみてください。
彼は健康でしたか?
彼は肺結核を発症し、新撰組最強と言われながらも若くしてこの世を去りました。
彼がウツロな眼差しで吐血し、宙を掴もうとしながら「こ、近藤先生……」と呟けば、おそらく現代の若い女性たちでさえ一瞬にして心を奪われてしまうことでしょう。
しかしそれは一体何故なのか?
そこに人間の持つ生命の儚さ、そして志半ばで倒れていく一人の青年のカタルシスがあるからです。
仮病でモテたい男性は、女性のそのようなある種の母性を掴むことを心がけてください。
たとえばそっと口に血のりを含み、お目当ての女性の前で盛大に噴き出すことも有効でしょう。
「だ、大丈夫?」と駆け寄ってくるその女性に投げかける言葉を前もって用意しておくことが必要です。
たとえばこんな感じでしょうか?
「オレなんかにかまわず、キミは先に行け!」
「触るな! キミの美しい手や服が汚れてしまうだろう!」
「ちッ! こんな時に……。やれやれ、もうお終いか……。なぁ、最後にオレに、キミのとびっきりの笑顔を見せてくれないか?」
この時の台詞は、必ず「自己犠牲」「彼女の美しさを讃える」ということに終始してください。
そしてその後、もしその彼女のハートを見事ゲッツすることに成功したなら……アナタが仮病者であることを正直に彼女にカミングアウトしてください。
彼女はアナタが仮病者であることを決して怒ったりはしません。
むしろ彼女はその段階で、「あまりにも長期的でイレギュラーなギャグをかます楽しい彼氏」として、アナタの魅力にもうメロメロです。
時は流れ――やがてアナタと彼女は結婚し、二人の間には子どもが生まれるでしょう。
その子どもにはアナタの遺伝子が受け継がれ、子どももまた精悍なる仮病者となるのです。
その時アナタは思い出します。
まだ駆け出しの仮病者だった頃の自分を。
そして遠いあの日、目には見えないが確かにそこに存在する黄金の架け橋に向かって語りかけた、あの言葉をもう一度繰り返すのです。
仮病とは――現代の自分から未来の自分へとつなぐ、希望に満ちた黄金の架け橋。
「届け! 未来へ!」
仮病は前述したように、自分を輝かしい未来へと導く、大切な財産なのです。